Cost−effectivenessの高い降圧薬を 

WHO/ISHの指針では主要6種類を第一選択薬としている。利尿薬・β遮断薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンU受容体拮抗薬、α遮断薬である。従来より日本ではその1つである長時間作用型Ca拮抗薬の使用頻度が圧倒的に高い。それは日本人の血管特有性の問題が裏付けているのかもしれない。血管痙縮の例をとってもわかるように、欧米人と日本人とでは薬物に対する血管の反応性が異なるからである。降圧薬使用に関しては、副作用が少なく、少量で十分な効果の得られるものが理想的である。長時間作用型Ca拮抗薬は降圧効果が高く、当・脂質代謝、インスリン抵抗性などに悪影響を与えない。老年者高血圧においてもSTONE7)やSyst−Eur8)によって、さまざまなエビデンスも集積され、従来日本の医師がその経験則から使用してきたことが裏付けられてきた。しかしここで、ガイドラインで示された6種類のなかに、経済性にも優れ、費用対効果が高いものに何があるかをもう一度再検討し、個々の医師の頭の中に高血圧治療の戦略を練り直すことも必要である。最も大事なのは、この主要な6種類のなかから、個々の患者に一番あった薬を探し出すことである。どんなに優れた薬剤でも、その患者に向いていなければ効果は上がらないし、コンプライアンスも低下する。可能な限りここの症例にあった薬剤を選択しなければならないが、それと同じくらいの力を割いて患者さんの自覚症状を拾い上げ、安心して長期間服用してもらえるような薬剤を選択する努力も必要なのである。