病院に行った時だけ血圧が上がる「白衣性高血圧」は無害?有害?

自宅で血圧を測定するといつも正常だが、
病院や医院で測定してもらうと血圧が高いといわれる方も少なくないと思います。
このような高血圧は「白衣性高血圧」と呼ばれ、従来は精神的な緊張などが原因であり、
あまり心配はいらないものと考えられていました。
しかし最近このような「白衣性高血圧」の方でも、
長年の間には高血圧や心臓、動脈、腎臓などの障害が起こってくることが分かってきました。

最近では、白衣性高血圧者が正常血圧者と高血圧症患者の
中間的な程度の臓器の障害をきたすとする報告が増えてきています。
また、「白衣性高血圧」を放置すると本当の高血圧症になりやすいとする報告も認められます。
では、なぜ白衣性高血圧が生じるのか、その原因については精神的な素因や、
ストレスへの反応性の関与が指摘されていますが、その詳細は明らかになっていません。
若年者と高齢者とでは同じ白衣性高血圧であっても発生メカニズムが異なる可能性も示されています。
若年者では中枢性因子も含めて多彩な因子が複雑に絡み合っているのに対して、
高齢者では抗受容体反射機能の低下を含めた血圧調節機構の障害が前面に出ていると考えられています。
このような障害が交感神経系と相まって血圧上昇をもたらすことになるのでしょう。

「白衣性高血圧」のなかには、外来診療時だけでなく日常生活における様々なストレス状況に過剰反応を示し、
一過性の血圧上昇を繰り返している例がある事は否定できません。
このような血圧動揺性自体が臓器障害の進展に関与していると考えられます。
これらを総合すると、「白衣性高血圧」はまったく無害であるとは言い切れないようです。
ただし、薬物療法をしたほうが良いかどうかについては、まだ結論は出ていません。
家庭血圧を測定し、上昇傾向にあるのか否かを主治医と相談していけば
リスクはかなり減らすことが出来るそうです。
しかしながら、すでに臓器障害が存在している場合などに関しては、
まず食塩制限や運動療法などの非薬物療法を行った後、2ヶ月程度様子をみて、
無効の場合には薬物療法を開始したほうがよさそうです。