併用を視野に(少量併用療法) 

単剤でうまく降圧できれば理想的であるが、現実にはそうした症例は限られている。降圧療法の原則として、増量、変更、併用の考え方がある。WHO−ISHガイドラインでは、標準量かそれ以下を投与して効果が不十分な場合、少量併用療法を推奨している。降圧効果は必ずしも用量依存性がなく、一方、副作用は確実に用量依存性に増加するからである。示されている併用例は以下の組み合わせである。利尿薬とβ遮断薬、利尿薬とACE阻害薬(またはアンジオテンシンU受容体拮抗薬)、Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン系)とβ遮断薬、Ca拮抗薬とACE阻害薬、α遮断薬とβ遮断薬である。では併用療法を行う場合、どのようなくみあわせがのぞましいのであろうか。実際には合併症や臓器障害の有無で併用薬剤は考慮されるべきであり、好ましい組み合わせはいろいろあるが、個々の患者の病態に即したコンビネーション・セラピーが重要だと言える。少量併用療法の必要性や有用性は、HOT Studyでも裏付けられており、DBPが90mmHg以下に下がらなかった症例は80%にすぎず、約70%に併用療法が必要であった。厳格に降圧を考えると、単剤では降圧目標達成が困難といえる9)。増量のスピードについては、理想的にはゆっくり下げることが望まれる。特に高齢者の場合にはマイルドに時間をかけて目標血圧まで到達すべきである。十分な降圧が得られない場合、特に問題がなければ3〜4週間に1回のペースで1種類あるいは1錠増量する程度であろう。